Cucumberの衝撃とバイオインフォマティックスについて思うこと

2010年9月1日

バイオの買物.comのまとめてカタログが正しく動作しているかをこまめに確認するために、自動テストというものを使ったしています。「使ったりしている」というのは、つまりやったりやらなかったりしているということです。自動テストはプログラムを書いて作るのですが、これが結構大変なんです。そのため、やらなきゃいけないと思いながらも放っておいたりすることが多くあります。

それで夏休みの間にテストをどうしようといろいろ考えていたのですが、Cucumberというものを今更ながら勉強して、度肝を抜かれました。

Cucumberというは誰でも(そうプログラマーではなくても)分かるような言葉でプログラムの動作を指定するシステムです。Cucumberを使うと、プログラムのやるべき動作を以下のように記述できます。(実際に私が使っているコード)。私は英語でやっていますが、日本語も可能です。

Gherkin.png

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ロシュのウェブサイトがリニューアル

2010年9月1日

今日訪問したら、ロシュのウェブサイトが新しくなっていました。

私が深く関わったサイトなので、基本的には良かったなと思っています。

デザインはグローバルのサイトをそのまま使っていて、後は内容をあっちこっちに移動したりしています。新しい内容も多少あるようです。

roche-web site-renewal.png

まだ新しくしたばかりだからだと思いますが、ちょっとおかしいところも目立ちます。特にカタログ情報などの製品情報を閲覧するのがややこしくなりました。検索に頼ることが多くなるかもしれません。例えばNAPIのページは何がしたいのかがよくわかりません。またちらっと見たとき、ロシュのメインの製品は何なのか、何を売りたいのかがよくわからなくなってしまっている気がします。まぁ、いろいろな会社を吸収して製品を増やしているので、内部での混乱があるのかもしれません。

napi.png

そうは言うものの、どんどん良いウェブサイトにしようと努力をしている点、安易にグローバルのサイトと統合して日本語コンテンツを失ってしまっていない点など、一部他社の状況と比較するととても良い方向ですので評価します。

あと見た目のデザインは変わっているものの、私が昔に作ったオンラインカタログをほとんどそのまま(少なくとも外部的には)使ってくれているのはちょっとうれしいです。半面、今の私のスキルであれば数倍よいものが作れるというのがあるので、ちょっと恥ずかしいところもあります。

Stratagene製品のページが人気な理由

2010年8月13日

アップデート
7月27日時点では動いていたwww.stratagene.co.jpに限らず、Agilent社のウェブサイトはドメインやURLを最近(8月に入ってから)ずいぶんといじっているみたいで相当に混乱しています。ライフサイエンス部門のUSホームページ、www.chem.agilent.comstratagene.comへのリンクがたくさん残っていて、いずれも機能しません。日本語のAglient社のサイトchem-agilent.comは影響を受けていないみたいですが、ここはもともと全製品の情報が入っていません。また入り口だけ日本語のサイトwww.chem.agilent.com/ja-JPはwww.chem.agilent.comと同様におかしくなっているようです。どうして、みんなこうダメなんだろう。

「まとめてカタログ」ではStratagene製品のページが人気です。

最近のクリックスルーのランキングで見るとSigma Aldrich社、Invitrogen社、Millipore社、Takara社についで多くなっていて、BD Biosciences社、Applied Biosystems社、Qiagen社などよりも上になっています。

2010年6月のクリックスルーランキングを見たときもStratagene製品は高いなと思っていたのですが、8月はそれがさらに多くなっています。

先ほど調べていたら、原因が分かりました。

今まで通りに www.stratagene.co.jp にアクセスしようと思うと、下記の図のようになってしまうのです。

stratagene.co.jp.png

非常に残念です。こういうのを見ると悲しくなります。

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統合TVにバイオの買物.comを取り上げてもらいました

2010年8月5日

NewImage.jpg

統合TVにバイオの買物.comを取り上げてもらいました。「バイオの買物.comを使い倒す 2010」。ありがとうございます!

バイオの買物.comがどういうサイトか、動画を使って簡潔にポイントをまとめていただいています。

統合TVは「ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)が発信する動画によるデータベース(DB)やツールの使い方のコンテンツ(β版)」ということですが、僕は非常に興味を持っています。僕自身は生命科学の研究をしている訳ではないので、コンテンツそのものに興味を持っている訳ではなく、またかなり頻繁に更新される内容をフォローしている訳でもありません。僕が興味を持っているのは、動画を使って情報を伝達していくというフォーマットです。

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ウェブサイトへのアクセスと売上げの関係

2010年8月3日

非常に簡単ですが、ライフサイエンス研究用試薬の業界において、メーカーウェブサイトの利用者数と売上げの関係をプロットしてみました。

推定売上げについては、僕が業界のいろいろな人の話を聞いたりしたのを総合して推定しています。あまり正確ではないと思いますので、個別のデータポイントについては紹介できません。

また今回は試薬を中心としているメーカーのみをデータとして使いました。機器メーカーはウェブサイトが整備されていないこと、値段がまちまちで機器利用者数と売上げが相関しなさそうだということ、高額機器になればウェブサイトよりも営業担当やメンテナンス担当者のインパクトの方が遥かに大きくなることなどから、総じてアクセス数は少なく、データとして使うべきではないと判断しました。

メーカーごとに、例えば診断分野の製品も多いとか、製薬関連が多いとか、データがばらつく要因はいくらでもあるのですが、その割には明確な相関が見られるという印象を個人的には持ちました。

webvisitors vs revenue.png
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まとめてカタログの広告システムについて:その2

2010年8月2日

まとめてカタログの広告システムについて、そもそも広告を見てもらうには何が必要かとか、広告がうっとうしく感じられないようにするためにはどうすれば良いのかを考えたいと思います。

すべての広告がうっとうしい訳ではない

基本的には広告はうっとうしいものです。大部分の広告は邪魔に感じられます。だからテレビのコマーシャルの時間は「トイレ休憩」の時間になるのです。インターネットでも(当たり前ですけど)広告がうっとうしいという調査結果が出ています(ただブロードバンドの普及もあり、インターネット広告をうっとうしいと感じる人の割合は下がっています)。

その中でも、ついつい楽しみにしてしまう広告があります。例えばソフトバンクの白戸家のコマーシャル(白いお父さん犬がでるやつ)などがそうです。画面に白い犬が見えたら、「もしかしたらこれはソフトバンクの新しいCMじゃないのかな」と思って、画面を覗き込んでしまいます。ですから広告そのものが必然的にうっとうしく感じられるのではありません。結局は中身が問題なのです。テレビを見ている人にとって面白いと感じられる広告を出していかどうかが問題です。

たぶん広告はうっとうしくなくても良いはずです。興味を持って見てくれる広告は作れるはずだと僕は信じています。

そしてまとめてカタログに掲載される広告が少しでも興味を持ってみてもらえるようにするために、我々はどうしなければならないのか。それを以下に考えてみたいと思います。

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広告に使っているお金の半分は無駄になっている。問題は、それがどっちの半分かが分からないのだ。

2010年8月1日

このブログの表題はJohn Wanamakerの言葉 “Half the money I spend on advertising is wasted; the trouble is I don’t know which half.” を翻訳したものです。僕がマーケティングをやり始め、しかも会社業績が芳しくなくて大幅な予算カットを命ぜられていたとき、上司の米国人が教えてくれた言葉です。John Wanamakerは19世紀に米国でデパートを経営していた近代広告の父とも言われている人だそうです。

インターネット広告ではユーザがどれだけ長くページに滞在したかとか、あるいはどの広告をクリックしたか等が追跡できるため、有効な広告と無駄な広告の区別がつきそうな錯覚があります。そして広告をクリックする確率(クリックスルー率)を最適化し、広告キャンペーン全体の効果を最大化することも行われています。

c-team.png
例えば C-team が行っているサービスは、一つのキャンペーンに対して多数の広告を作成し、それぞれのクリック率を計測しながら、最もクリック率の高い広告を自然選択していくものです。またバナー広告を作成しているデザイナーも、ほぼもれなくクリック率の高い広告をPRしています。

でもみんな薄々気がついています。

自分自身は滅多に広告をクリックしないんだけど、なんでこんなにクリックばかりが注目されているんだろう。いったい誰がクリックしているんだろう、って。

そういえば、前回クリックしたのは何日間前、いや何週間前、いや何ヶ月前かなって….

だからクリック率ばかりに注目するのは、なんかちょっとおかしいよねとみんな思っています。でも上司やクライアントに説明するときには分かりやすいし、納得してもらいやすいので使ってしまう。

バイオの買物.comは広告収入によって運営されていますので、インターネット広告をやっています。ただお金をもらえればよいというものでもなく、掲載させていただいた広告が本当に広告主の売上げ向上につながっているのかは常に気になります。さらにバイオの業界はまだインターネット広告が浸透していませんので、どういうデザインのどういうコピーのどういう広告を出せば効果が出るのかは、まだ分からないことばかりです。

それでいろいろ勉強したり、データを眺めたりしています。その中で気になるものを一部紹介します。

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まとめてカタログの広告システムについて:その1

2010年7月29日

まとめてカタログでは、研究用試薬・機器メーカーが広告を掲載し、製品を効果的にプロモーションできるように準備を進めています。今回はそのコンセプトについて紹介したいと思います。

バナー広告はなかなか効果が出しにくい

インターネットで一般的に使われているバナー広告ですが、なかなか目に入りにくいと言われています。(盲目効果 ~ 視線の動きとレイアウトバナーは目に入らないのか?~新旧の知見)。

広告部分に視線が行くことはゼロに近かったのである。何か知りたいことがあって探しているときには、早く目的を達成したいと思うのでバナーに気を取られることはない。そして、そこに書かれている内容に夢中になっているときには、文章から目を逸らすことはないのである。

確かに私自身がウェブサイトを眺めているときも、広告をクリックすることは滅多にありません。インターネットでフリーのサービスを提供して、広告収入によってその経費をまかなおうとしている我々にとっては、非常に頭の痛い問題です。

banner_blindness.jpg

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メーカーウェブサイトの検索エンジン:その1

2010年7月27日

アップデート
検索結果レスポンス時間の表はこのブログを最初に投稿したときよりアップデートし、数を増やしています。それにあわせて、文章も一部変更しています。

ライフサイエンス研究用の研究試薬機器を販売しているメーカーのウェブサイトで、検索エンジンのスピードをテストしてみました。

テスト方法は非常に簡単で、厳密な比較は全くできないものです。しかし大雑把な感じをつかむことはできるのではないかと思っています。

具体的にはKDDIの光回線を使用して、MacBook Pro (Intel CoreDuo 2.0GHz)、Snow Leopard、Safari 4の組み合わせで計測しています。計測に使ったのは Safariの開発メニューにある、各リソースのロード時間を計る画面です( 開発>Webインスペクタを表示して、リソースのタブを押す。あらかじめ環境設定で開発メニューを有効にする)。

また検索エンジンの性質を明らかにするため、ヒット数が少ないキーワードとヒット数が多いキーワードをテストしました。

表に載せた数字は、ページ全体がロードする時間ではなく、検索結果を含むHTMLファイルのレスポンスタイムです。レスポンスタイムとは、画面に何かが描写され始めるまでの時間とだいたい同じです。

以下が結果です(2010年7月27日計測時点);

検索結果レスポンス時間
ウェブサイト 検索キーワード ヒット数 レスポンスタイム(s)
roche-biochem.jp PCR 1,600 15.37
fugene 2 0.612
cosmobio.co.jp PCR ND
transfection ND
cd3 7,445 5.36
1540-14 1 0.584
リアルタイムPCR 2,621 0.609
昆虫細胞 66 0.595
catalog.castle104.com PCR 6,262 0.176
iscove 20 0.375
antibodies 105,265 0.221
funakoshi.co.jp PCR 9,476 3.57
CD3 1,731 2.45
CD3Z 156 0.808
invitrogen.jp PCR 220 0.053
CD4 143 0.069
invitrogen.com CD4 426 2.5
PCR 7,598 2.0
takara-bio.co.jp PCR 537 5.97
advantage 48 5.84
bio-rad.co.jp PAGE 302 3.39
PCR 400 3.81
promega.co.jp PCR 92 0.429
DNA 337 0.449
sigmaaldrich.com transfection 1,222 1.20
PCR 894 1.10
qiagen.com miniprep 1,650 2.00
PCR 3,040 2.50
merck-chemicals.jp transfection 70 2.57
PCR 80 1.91
inhibitor 2,400 1.83
millipore.com cd4 173 5.0
cd 338 5.5
フィルター 6,348 5.5
toyobo.co.jp rna 145,303 30
pcr 110 7
KOD FX 3 7
gelifesciences.co.jp PCR 678 0.793
Cy3 333 0.526

全体的に言って、多くのウェブサイトの検索速度は大きな問題が無いレベルであり、検索のスピードでストレスをかけているのは少数派です。ただそうはいうものの、2-3秒かかってしまっているものが多く、決して快適とは言えません。ウェブサイトの表示速度が遅いことによって売上げや顧客満足度が低下するという実証的なデータもありますので、これらは要改善と言えます。1秒程度に収める工夫によって、顧客満足度が大きく向上するでしょう。

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ライフサイエンス研究者向けのAdwordsについて思うこと:その2

2010年7月26日

ついさっき「ライフサイエンス研究者向けのAdwordsについて思うこと:その1」を書いたばかりですが、やりながら頭が整理された部分がありますので、ここに書き留めます。

旧来の広告は何かイベントがあるときに作っていた

少なくともライフサイエンス研究支援の業界は、キャンペーンを実施したり新製品を出したりして、それに対するマーケティングをするということには慣れています。しかし既存の製品を地道にプロモーションしていくことには全く不慣れです。例えば先ほどのブログで紹介したリアルタイムPCRをマーケティングすることには熱心です。そして制限酵素はキャンペーンをしながらプロモーションします。しかしその一方で、例えばライゲーションキット(T4 DNAリガーゼ)とかアルカリフォスファターゼ(BAP, CIAP)、フェノールとかのプロモーションはほとんどありません。

先ほど見たAdwordsの使い方はこれを反映しています。リアルタイムPCRは比較的新しい成長分野だからプロモーションします。そしてキャンペーンと結びつけてプロモーションします。Googleに「リアルタイムPCRプライマー」というキーワードで検索され、広告コピーの中に「プライマー」という言葉が入っていたとしても、ついついプライマーのプロモーションを忘れてリアルタイムPCRの他の製品(例えば新しい試薬と機器)をプロモーションしようとしてしまいます。

つまり、メーカーとして強くプッシュしたい製品やキャンペーンにばかり注目したプロモーションになってしまっています。

Google検索を行ったユーザは何を探したかったのか?

Google検索を行ったユーザは、メーカーが売りたいものには興味があるとは限りません。

それどころかGoogle検索を行ったユーザはキーワードを介して、自分の意思表示、自分が何を買いたいのかを既に表明しているのです。

例えばユーザがリアルタイムPCR用のマスターミックスをいくつか比較検討したかったとします。特に価格が気になっていたとします。そのときに入力されるだろう「リアルタイムpcr 価格」などは比較的検索ボリュームがあるキーワードです(Google Suggestで3-4番目に出てきます)。でも各メーカーのAdwords広告は先ほどのブログのものと変わりません。どの広告もユーザの意思とはマッチしていません。「リアルタイムpcr 試薬」と検索しても同様です。

本来は、ユーザが表明した意思に対するAdwords広告を出した方が良いと思いませんか?キャンペーン情報を探していないユーザにキャンペーンの話をするのではなく、試薬価格を知りたいユーザには試薬価格の話をするのが先決ではないでしょうか。

あるいはプライマーを探しているお客様には、真っ先にプライマーの話をしたらいかがでしょうか。プライマーの話を聞きたいと言っているユーザに対して、プライマーへのリンクを小さく隠しておいて、そしてその前に新製品の紹介をするのは失礼ではないでしょうか。もちろんメーカーは失礼なことをしているつもりはないと思いますが、シチュエーションによってはそういう結果になっていないでしょうか。

Adwordsはユーザの疑問に答えるように作るべき

マーケティング担当者にとっては、大きなマインドセットの変更が必要だと思います。マーケティング担当者は自分たちが何を売りたいかではなく、ユーザは何をどのように探しているかを考えるようにしなければならないと思います。これこそが本来のマーケティングの姿ではあるのですが、前世紀末には新製品ラッシュだったライフサイエンス業界に育った人間にとっては、これはおそらくは新鮮なアプローチになると思います。

ユーザの疑問を想定して、それに答えるようにAdwords広告を作ります。そして数はかなり多くなってしまいますので、それなりの労力をかけてそのメンテナンスを行います。さらに新製品やキャンペーン等のときにやるだけではなく、ユーザの疑問は常に年中ある訳ですから、このAdwords広告を継続的に、少しずつ改善しながらやっていくこと。これが大切だと思います。

そういうことを、例えばAmazonはやっています。