まとめてカタログ公開と全面リニューアル

バイオの買物.comは4月12日(月)に全面リニューアルし、新しくオープンします。

目玉のサービスは「まとめてカタログ」です。使い方はまとめてカタログの使い方にあります。

まとめてカタログとはライフサイエンスのメーカーの製品を一つにまとめたものです。非常に高速で優れた検索機能を提供するのはもちろんのこと、カテゴリー分けも行っています。数十万の製品がありますので、カテゴリー分けは大変な作業です。ただアノテーション無しではゲノム配列は理解し得ないのと同様に、メーカー横断的なカタログもカテゴリー分けの有る無しでは全く利用価値が違うと考えています。これについてはまとめてカタログFAQに解説してます。

Castle104を立ち上げ、一番最初にバイオの買物.comをリリースしたのは2008年の3月でした。そして抗体検索サービスやキャンペーン情報をまとめるサービス等も提供してきました。しかしいつも頭の中にあったのは、抗体以外の製品を含めたメーカー横断的な製品カタログを作ることでした。

2008年3月にリリースした最初のバイオの買物.comでは製品比較表を用意しました。これは今でもアーカイブに用意しています。このときは製品比較表を作成することによって、メーカー横断的に製品を比較検討できるようにしようと考えました。この作成作業および更新作業が大変になるとはもちろん分かっていましたが、製品カテゴリーを絞れば実現できるのではないかと考えていました。しかし実際にやってみると、比較表を作成するために必要な情報を探すのに予想以上に手間取りました。例えばプラスミドを精製する製品の例で言いますと、どれぐらいの大腸菌培養のスケールが扱えて、どれぐらいのDNAが最終的に得られるかという基本的なスペックが製品ページに記載されておらず、製品説明書まで読まないと分からないということが珍しくありませんでした。また製品カテゴリーを絞ってしまうとウェブサイトとしての魅力がなることも悩みでした。アクセス数も思ったほど伸びませんでしたので、結局は最初に作成後、ほとんど維持管理できないという状態になってしまいました。

その後は抗体検索のサービスなど、当初の計画とは方向性の異なるものも実施しましたが、常に頭にあったのはすべての製品を網羅したカタログを如何に作るかでした。そして2009年の春頃からは、基礎データはすべてウェブを巡回するプログラムに任せ、手作業で行うのは簡易的なアノテーションだけというシステムの作成を開始しました。

アノテーションはカテゴリー分けが中心で、この作業は大変だったものの比較的簡単に進みました。大変だったのは利用者に見せるユーザインタフェースです。通常ですとカテゴリーをたどっていくに従って次から次へと新しいウェブページが開くようにインタフェースが使われます。メーカーウェブサイトもほとんどがこれです。しかしライフサイエンスのカタログを作ろうとすればカテゴリーの数が数百以上になるのは明白だったので(逆にそうしないとカテゴリーあたりの製品数が膨大になって、利用者は見る気を失ってしまう)、いちいち新しいウェブページを開くのでは見るのが面倒くさくなってしまいますし、「迷子感」が出てしまいます。

いろいろ考えたあげく、まとめてカタログではMiller columnsというMac OS Xのファインダーで使用されているユーザインタフェースを使うことにしました。階層が深くなれば、また階層あたりのカテゴリー数が多くなれば、このような仕組みがベストだと判断したからです。しかしMiller columnsを使ったウェブのユーザインタフェースはすでに利用されているものの(例えばGE Healthcare社のオンラインカタログ東洋紡のオンラインカタログがそうです)、iTunesのようにカテゴリーと製品を同時に見せているものは全く見たことがありませんでした。そしてデザインを含めゼロから作成したのが2009年の10月ごろです。「ウェブだから」とあきらめるのではなく、Javascriptをかなりふんだんに使って、Mac OS XファインダーやiTunes並の操作感を目指しました。

データベースのスピードの問題にもぶつかりました。まとめてカタログではカテゴリーを非常に細かく区切るケースが出てきます。ですから末端カテゴリーに行ってから初めて製品がリストアップされるのではなく、途中のカテゴリーにたどり着いた段階でも、それより下の製品が全部表示されるようにしなければいけません(実際、BioCompareでは末端カテゴリーでしか製品を表示しないため、分かりにくくなってしまっているカテゴリーが目立ちます)。しかも価格順で並べ替えないといけません。データベースに使用していたMySQLは、検索結果として返すデータ数が少ない場合は非常に高速に動作するものの、該当データが多く、これを並べ替えなければならないときは大幅にスピードが落ちることががあります。

MySQLの最適化を試みたものの結果はむなしく、解決策としてSphinxを導入したのは2009年11月でした。これのおかげでデータベース検索は画期的に早くなりました。数秒かかっていたクエリが百倍ほど早くなりました。しかも機能も増えました。

そうこうやってようやくたどり着いたまとめてカタログの公開です。私がCastle104を2007年11月に設立してから目指したことは、これで一つの区切りを迎えます。特にカテゴリー分けはまだまだ作業が進んでいませんし、参加メーカーや製品ももっと増やさないといけないのですが、まとめてカタログこそがバイオの買物.comとCastle104の目指してきた方向、これから目指す方向であるとご理解ください。これを中心に、ライフサイエンスの研究者に役立つサービスを今後も展開していきたいと思っています。

早い段階からスポンサーとしてCastle104を支えてくれたメーカーの方々、その他、助言やサポートをしてくださった方々、ありがとうございました。皆様のお力無しではここまでたどり着けなかっただろうという思いで、大変感謝しています。

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