キーワードが思い出せなくなる検索システムをLincoln Steinはどう思うか

バイオメーカーのウェブサイトの中には、検索結果を表示するときに、最初に入れた検索キーワードが消えてしまうものがあります。

代表的な例としてコスモバイオのウェブサイトを紹介します。
http://www.cosmobio.co.jpに検索キーワードを入れます。

Cosmobio

検索のボタンを押すと以下のように結果が表示されます。

Cosmo result

ご覧のように、検索キーワードとして入力した”CD34″が検索条件のボックスにありません。それどころか、検索条件ボックスには何も情報がありません。

「絞り込み検索項目」というのがありますが、全くのまっさらな状態なので、何がどのように絞り込み検索されるのか、全く知る方法がありません。

Lincoln Steinという人がいます。彼はBioinformaticsのプログラマーですが、1990年代のWebの黎明期を支えたと行っても過言ではない、あのPerl CGI.pmの作者でもあります。彼は著書の”Official Guide to Programming with CGI.pm: The Standard for Building Web Scripts”でこう書いています。

More seriously, however, the fill-out forms I created in HTML were dead. The text fields were blank, the checkboxes turned off, and the radio buttons were set to their defaults. The user interface was inconvenient as well.

I wanted the interaction to be more conversational, so the user could fill out the form, press the submit button, and the results would appear on the same page. If the user wanted to try again, the form would be right there.

バイオでも大活躍している大先輩が15年以上前に解決していたウェブデザインの基本的な課題を、コスモバイオのウェブサイトは無視してしまっているのです。

しかもこの過ちを犯しているのはコスモバイオだけではありません。他にもそうなってしまっているウェブサイトがバイオメーカーの中にあるのです。

ミリポアのウェブサイト

検索キーワードが完全に消える訳ではないのでコスモバイオのものほどはひどくありませんが、それでもやはりわかりにくいのがミリポアのウェブサイトです。

検索条件入力

http://www.millipore.com

Millipore

検索結果表示

Millipore result

検索条件は真ん中に表示されていますが、そもそも入力した検索窓は空っぽになっています。

真ん中の文字はフォントこそは大きいものの、特別な枠に入っている訳でもありませんので、私は最初はずっと見落としていました。

最初に入力した検索窓に”CD34″と書いてあれば絶対に見落とすことはありませんし、修正も簡単です。

インビトロジェンのウェブサイト

「全文検索」を行ったときにのみこの問題が発生します。

検索条件入力

Invitrogen

検索結果表示

Invitrogen result

最後に

このようなミスは非常に初歩的なものです。技術的には簡単ですし(Lincoln Steinが15年前にやっている訳ですから)、例えば問い合わせの電話を受けながら2分ほどで修正できるようなものです。

私がウェブサイトをデザインしているとき、和製プログラミング言語 Ruby の作者、まつもとゆきひろさんのいう「驚き最小の原則」を一つの指針にしています。

この場合は最初に入力された検索キーワードはどこに表示するべきかです。どこに表示すれば「驚きが最小」になるかです。

それは言うまでもなく、最初に入力したその場所(検索窓)に決まっています。

この記事を含め、ライフサイエンス研究用製品メーカーのウェブサイトのあるべき姿について書いた記事を特集ページにまとめました。あわせてご覧ください。

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