バイオの買物.comの本当のスタート

「まとめてカタログ」を公開したことで、これからが本当のバイオの買物.comのスタートだと強く感じている今日この頃です。バイオの買物.comを立ち上げた目的を果たせるのは今までのサービスではなく、この「まとめてカタログ」なのです。その目的とはそもそも何か、このブログを読んでくださっている皆さんと少し共有したいと思います。

研究者とメーカーのために、業界をチェンジ

バイオの買物.comはチェンジを起こさなければなりません。旧態依然としている日本のバイオ業界をより良い方向に向かわせるものでなければなりません。研究者とメーカーがより高いレベルで情報を共有し、お互いがお互いを高め、そして日本の科学の推進に貢献するように手助けしなければなりません。

どう頭をひねっても、先端科学を支援しているはずのメーカーが堂々と恥ずかしいキャンペーンを展開している実態は、本来のあるべき姿には思えません(もちろんあまりにもひどいのをやっているのは一部ですが)。私自身メーカーのマーケティング担当でしたし、どうしてこのようなキャンペーンを展開するのかは理解しているつもりです。そして私自身もあまりひどいものはやったことはありませんが、自分の理想を考えると、とても自慢できないキャンペーンも多くやってきています。自分を棚に上げることになってしまうのですが、それでもやはりこれはあるべき姿ではないのです。

バイオの買物.comがそのチェンジを起こすきっかけになればという気持ちは非常に強いです。

マーケティングではAIDMAと言って(「法則」とつけている人がいるようですが、私自身、科学者出身としては「法則」という言葉を安易につけることは大いに慎まなければなりません)、消費者の心理の変化を著しているモデルがあります。最初のAIは注意・関心です。消費者の注意と関心をまず引きつけなければならないという意味です。そして多くの産業においては、これは広告などの手法で行われています。

しかしバイオテクノロジーではこの注意・関心の引きつけが非常に難しいのです。一つには研究者が非常に細分化されているため、広告を出しても、ニーズがマッチする研究者がそもそも少ないのです。また広告を掲載すべき有効な媒体の絶対数が少ないです。雑誌は確かにあるのですが、恐らく研究者が雑誌に向かっているときはあまり集中力を散らしたくないのでしょうか、雑誌広告が有効だったという話は(海外を含め)聞いた覚えがありません。

そういうまともな方法での注意・関心の引きつけが難しいせいか、洋の東西を問わずメーカーが頼るのは値引きキャンペーンです。そうです、アメリカ・ヨーロッパでも値引きしまくりなのです。変なキャンペーンもやっています。BioCompareは新しい切り口として、インターネットビデオを使ったバイラルマーケティングキャンペーンを手助けしていて、BioRadのPCR songなどが有名な成功例ですが、まぁいずれにしても変なキャンペーンであるのは変わりありません。本当はそういう露出ばかりを目指したマーケティングではなく、製品の良さをアピールする地道な製品資料、説明会、ワークショップこそが先端科学のマーケティングにふさわしいという思いがあります。

バイオの買物.comの大きな狙いは、研究者の注意・関心を引きつけることを大幅に簡略化することです。研究者が「買物モード」の時に的確な広告を目の前に提示すれば、AIは簡単なはずです。そして次のDMA(欲求・記憶・行動)の方に重点がシフトします。AIを簡略化できれば、メーカーのマーケティングも自然とDMAに向かいます。注意を引きつけるための奇抜なキャンペーンではなく、製品の良さをしっかりと伝えることに重点が移る訳です。

これがバイオの買物.comの目指すチェンジです。目立つための派手なマーケティングではなく、製品の技術的利点を真剣に語り合うことこそがマーケティングになれば、研究者にとってもまたメーカーにとってもWin-Winだと考えています。

特にメーカーの研究所で地道な開発をしている研究者は大喜びしてくれると思います。

最高のものを作る

私はバイオの買物.comを立ち上げる以上、世界中にまだ存在しない最高のものを作りたいと考えました。そして「まとめたカタログ」はまだまだ未完成ではありますが、これならBiocompareなどをしのぐものに仕上げられると思っています。以前から提供しているサービスではそこまでこだわることができませんでしたが、「まとめたカタログ」はそういうつもりで最初から作りました。

「まとめてカタログ」ではBiocompareの製品分類方法に大いに問題点があると感じ、これを大幅に良くしたものを目指しました。Biocompareやその他のメーカーのウェブサイトを分析し、どうしてそれらが十分でないのかを考えました。私が出した結論は、今までウェブで使われているようなユーザインタフェースでは、生命科学な多様な研究分野、多様な製品をカバーできないというものでした。そこで「まとめてカタログ」では、今までのウェブデザインではほとんど見たことがないようなユーザインタフェースを用意し、あたかもMac OS XのファインダーもしくはiTunesを使っているかのような操作性を実現しました。まだカテゴリー分けが十分に進んでいないため、このユーザインタフェースの真価は一部の製品カテゴリーでしか見ることができません。今だと例えば抗体のカテゴリー制限酵素のカテゴリーにこのユーザインタフェースの良さが現れていると思います。

自分で言うのも変なのですが、大変だけど大胆なチャレンジをしたつもりです。それは真に役立つ、最高のものを作りたいからです。

また「セミナー」「キャンペーン」「ニュース」のページにおいても、今までにない工夫をしたつもりです。例えば日経BPが運営しているBiotechnology Japanにおいても各メーカーのキャンペーンが掲載されています。またかなりがんばっているものとしては代理店の広瀬科学のホームページのキャンペーンのカテゴリーがあります。ただこれらのページの問題点はキャンペーン記事が掲載順に並んでいるだけということで、一切アノテーションされていないということです(それは多分に、これらが単なるブログシステムを流用してページを作っているものだからでもあります)。例えば「いまやっているキャンペーン」という当たり前な絞り込みですら、これらのページではできないのです。

バイオの買物.comの「キャンペーン」ページではまずデータは勝手に取り込んでいます。メーカーが記事を投稿しようがしまいが、そんなことは関係ありません。研究者の立場から「このメーカーのキャンペーン情報は欲しい」ということであれば、掲載しなければならないのです。ですからバイオの買物.comは基本的には勝手に情報を取り込むようにしています。

またキャンペーンのデータは最低限のアノテーションをします。開始日と終了日をつけて、そして「いまやっているキャンペーン」がすぐにわかるようにしています。まだ大したレベルのものではないのですが、必ず既存のサービスよりも付加価値の高いものを作っていくとうのがバイオの買物.comのスタンスです。

バイオの買物.comの「セミナー」ページも同様です。学術的なセミナー情報源としてはSeminar MLなどがよく使われていると思いますし、Biotechnology Japanでも情報が掲載されています。しかしアカデミックなセミナー・ワークショップとメーカー主催のものが両方とも含まれ、なおかつ「これから実施されるセミナー」で絞り込めるものはないのです。こういう新しい付加価値をつけたものをバイオの買物.comは提供していくつもりです。

最後に

現時点でのバイオの買物.comの考え方を大雑把に紹介いたしました。ちょっと大きく書きすぎたところもありますが、ベンチャーをやっている人間の意気込みだと思って、大目に見てください。

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