バイオの買物comメルマガの効果測定の仕方

Mail先日、バイオの買物comにユーザ登録していただいた方を対象にメルマガを配信いたしました。

今回はその効果を様々なツールを使って測定する方法について紹介いたします。

先に概略を示します;

  1. タイトル「世界最高の抗体検索システムと紹介ビデオ(1分)」
  2. 送付先はバイオの買物com「まとめてカタログ」にユーザ登録した利用者
  3. 開封率: 29.2%
  4. クリックスルー率: 10.5%
  5. クリックスルーしてくれた顧客の質:それなりによい

このユーザリストに対して初めて配信したメルマガでしたので、レスポンスが良かったのは当然だったかもしれません(通常は最初はレスポンスが良くても、徐々に下がっていきます)。しかしそれを差し引いてもまぁまぁなレスポンスが得られたのではないかと思っています。なお米国の例ですが、業界ごとのレスポンスの統計がこちらにあります。

それはそれとして、Google Analyticsと組み合わせた分析をすることによって、質の高い訪問者がどれだけいたかなどを分析したいと思います。

基本的な分析

メルマガを配信するとき、通常は専用のサービスを使うことが多いと思います。自社でメールサーバを立ち上げてたくさんのメールを出すとことは滅多に無いと思います。したがって基本的な分析ツールは、そのサービスに付属のものを使います。

今回のメルマガはアメリカのMailChimpというシステムを使いました(2000アドレスまで無料で使えます)。その分析結果のスクリーンショットは以下の通りです。

Report

各項目を解説します。

opens

これは「開封率」です。実はインターネットの電子メールには開封したか否かを確認するシステムはありません。MailChimpの開封確認システムはメールに埋め込まれた画像を使って測定しています。したがって以下のような制限があります。

  1. HTMLメールを使わないとカウントできません。テキストメールは開封されてもカウントされません。
  2. 画像が読み込まれないとカウントされません。メールソフトによってはデフォルトで画像を表示しないものがありますが、これらはカウントされません。
  3. 実際にメールが読まれたかどうかはわかりません。プレビューのウィンドウで一瞬見ただけでも、画像の読み込みが早ければカウントされます。
  4. 以上の結果、開封率は高めに出る可能性も低めに出る可能性もあります。しかし相対的な指標にはなります。

Clicks

クリックスルー率です。メールのリンクのどれかをクリックした人がどれぐらいいるかの指標です。リンクが非常に多いメルマガでも、逆に非常に少ないメルマガでも同じように数えられます。たくさんクリックする人も、一つしかクリックしない人も同じです。

Unsubscribers

購読取り消しをした人がどれぐらいいたです。

Complaints

購読を取り消したのではなく、スパムメールとして報告した人がどれだけいたかの指標です。これは非常に重要な指標です。多くの人にスパムメールと報告されてしまうと、プラバイダーのスパムフィルターに引っかかるようになり、他の人に送信したメールもブロックされるようになるからです。

どこがクリックされたか

MailChimpは他にどこがクリックされたかの情報をビジュアルで示してくれます。

Clicks

これを参考にすれば、今後のPR台詞やデザインを考え直すことができます。

どう活用するか

以上が基本的な分析です。前述したようにこれはMailChimpが提供するものですので、他のメール配信サービスとは内容が異なる可能性があります。

何回かメルマガを送ってこのような情報を蓄積していけば、どのようなメールを書けばレスポンスが良くなるかの指標になります。またデザインやPR台詞はどれが良いのかを調査することもできます。なおMailChimpではA/Bテストがサポートされていますので、科学的な分析も可能です。

また各登録者がいつどこをクリックしたかを知ることもできます。例えば「加々美直史」が昨日の12時から3回アクセスして、2種のリンクをクリックしたこと等もわかります。ただし個人情報問題がありますので、ここではあまり紹介しません。興味を持ってくれたユーザを絞り込んでフォローアップのメールを送ったり、あるいは直接訪問したりすることもできる、非常に強力なツールであることだけここで述べておきます。

クリックしてくれた人の質に関する分析

クリックしてくれた人は本当にお金になる訪問者でしょうか?

メルマガを配信する目的は究極的には製品の利用者になってもらうことですから、大切なのはクリック数ではありません。その人がどれだけ関心を持ってくれたか、実際に製品を購入したり、資料請求をしたりしたかです。

これを分析するには自社のウェブサイトでGoogle Analyticsによる分析をするしかありません。

バイオの業界ではオンラインでの販売はほとんど行われず、すべて代理店を通ります。したがって売り上げにつながったかの直接的な指標はなかなか得られません。したがってその代わりに資料請求をしてくれたかどうか、あるいは単純に長時間ウェブサイトを見てくれたかどうかを確認することになります。

バイオの買物comは直接製品を販売していませんし資料配布もしていませんので、今回は単純にどれだけウェブサイトを眺めてくれたかを見てみます。

私はMailChimpとGoogle Analyticsを連携させていますので、Google Analytics側で以下のようなレポートを出すことができます。なお、この統計は「まとめて抗体検索」だけの統計です。

Analytics

ここからたくさんの興味深いことがわかります。

  1. 今回のメルマガからの訪問者は新規率が74.38%と高くなっています。「まとめてカタログ」の登録ユーザであっても「まとめて抗体検索」に来たことなく、なおかつ実は抗体検索に関心があったという顧客が多いということです。つまり、トップナビゲーションバーはほとんど誰も見ないよということです。
  2. 上記のことから言えるのは、「メルマガに登録しているぐらいだからどうせ知っているでしょう」ということは無いということです。古い内容であっても、良い話であればメルマガに流しても良いのです。うるさがられない程度には。
  3. メルマガ読者の関心の度合い(訪問別ページビューおよび平均サイト滞在時間)はそこそこです。そもそもこのウェブサイトは何か抗体を探したいという訪問者が多いので、全体としては長くすごす訪問者が多くいます。それに対してメルマガを見た人は、いますぐに抗体を探したい訳ではないので、数字が低く出るのは納得です。
  4. GoogleのAdwords (google/cpc)は新規率が低いのですが(54.47%)、新規訪問者はかなり高い関心を示してくれています。広告を出す大きな目的は新規顧客の獲得ですが、そのために絨毯爆撃的なこと(雑誌広告やばらまきチラシ)をやってお金を浪費することがあります。Google Adwordsの特徴は新規顧客を縦断爆撃的に集めることではなく、既存顧客の利便性をはかり、かつ絞り込んだ質の高い新規顧客を獲得することだと認識する必要があります。
  5. Googleで自然に表示されるところ(google/organic)からの新規率は高いのですが(70.95%)、総じて関心は高くないようです。Google検索をしたことがある人なら誰でもわかることですが、Googleの検索が思いどおりに行くとは限りません。期待と異なるwebページに飛ばされることはしばしばです。どんなに「まとめて抗体検索」のウェブサイトが優れたものであったとしても、訪問者の目的と異なるものであれば関心が低いのは当たり前です。これはSEOなどにお金を投じる際によくよく考えておく必要があります。あるキーワードでGoogle上のランキングが上位になり、たくさんの人が訪問してくれるようになったとしても、関心の無い人ばかりではお金の無駄です。SEOの効果を確認する場合はどれだけクリックが増えたかだけではなく、どれだけ関心を持ってくれるかを見なければなりません。バイオの業界の場合はオンラインで製品の購入となりませんので、特に注意しないとこの指標を見落としてしまいます。

最後に

バイオの買物comは、この業界でインターネットを活用したマーケティングが活性化し、研究者とメーカーの情報の流れが良くなることを目指しています。

メーカーがメッセージを効果的に研究者に発信し、様々な分析やフィードバックにより研究者の意向がメーカーに伝わる仕組みを作りたいと思っています。

上に述べた分析手法がメーカーのインターネットマーケティングのお役に立てば幸いです。

Tags: , ,

Leave a Reply