損しているメーカーウェブサイト:パンくずリストがないサイト

ウェブサイトで言う「パンくずリスト」とは、現在表示されているページがどのカテゴリーに含まれているかを示すものです。

パンくずリストがあるとユーザにとっては

  1. 自分の位置を把握しやすい。ウェブサイトの構造が簡単に理解でき、安心感が得られる。
  2. 目的のページにたどり着いたかどうかを判断しやすい。
  3. 瞬時に上位のカテゴリーに移動できる。

などのメリットがあります。

同時にGoogle対策(SEO)においても有用と言われています。(例えば ここ

特にGoogleで製品名等の検索を行った利用者は、ウェブサイトの階層をたどって目的のページに行くのではなく、一気に目的のページに飛ばされます。このページが本当に目的のページだったのか、関連するページはどこなのかを伝えるためには「パンくずリスト」は非常に有用です。

研究現場における実際のユースケースを考えてみましょう。

パンくずリストがない場合のユースケース

パンくずリストがない場合を最初に見てみます。Googleで”Qiagen SYBR Green”と入れてみたところ、以下の結果が得られ、Qiagenの”QuantiTect SYBR Green PCR Kits”のページにたどり着くことができました。
qiagen sybr green.png

Qiagenの”QuantiTect SYBR Green PCR Kits”のページは確かのこの製品については詳細に解説しています。本当にこの製品が欲しかった利用者にとっては良かったかもしれません。

しかしQiagenにはSYBRグリーンを使ったリアルタイムPCR用の製品が他にもたくさんあります。例えば培養細胞から直接リアルタイムPCRをするためのFastLane Cell SYBR Green Kit、高速サイクリングを実現した QuantiFast シリーズ他、配列特異的プローブもたくさん用意されています。それらはすべてのQuantiTect SYBR Green PCR Kitsのページの親ページ リアルタイムPCRおよびRT-PCRに紹介されているのですが、残念ながらここに簡単に移動するリンクは無いのです。

せっかくQuantiTect SYBR Green PCR Kitsに訪問してくれたユーザに対して、Qiagenのウェブサイトはその他のリアルタイムPCRおよびRT-PCR製品を紹介できていないのです。本気で探したいと思ったユーザがいたとしても、直接そのカテゴリーに移動するリンクが用意されていません。

パンくずリストがある場合のユースケース

一方でパンくずリストがある場合を見てみましょう。Googleで”Roche SYBR Green”と入れてみたところ、以下の結果が得られ、“ファストスタートユニバーサル SYBR Green マスター (ROX)”のページに移動できます。
roche sybr green.png

このページでは画面上部にパンくずリストがありますので、これ以外の製品を探すのが容易です。例えばパンくずリストにはRocheのこれ以外のリアルタイムPCR試薬へのリンクもありますし、リアルタイムPCR機器や遺伝子特異的プローブへのリンクもあります。

roche breadcrumbs.png

Google経由で入ってきたユーザに対しても、パンくずリストがあればサイトの全体構造を見せることができますし、関連製品を簡単に調べてもらうこともできます。つまりクロスセリング(関連製品を売る)やアップセリング(上位製品を売る)ができるのです。

まとめ

既存の顧客に対していかにクロスセリングやアップセリングをするかというのは、マーケティングにおいて非常に重要な課題です。ウェブをデザインする上でも、どうやったら関連製品を紹介できるかは常に頭を悩ませるところです。

パンくずリストというのはAmazon楽天などでも当たり前に使われていますし、一つのデファクトスタンダードになっています。ですから関連製品を探したいというユーザ、特にインターネットのヘビーユーザはまずパンくずリストの有り無しを確認する人が多いはずです。これをつけないのはかなり損だと思います。

バイオの買物.comのまとめてカタログはそもそもがクロスセリングやアップセリングを目的としたサイトですので、パンくずリストを越えるシステムを開発し、提供しています。例えば抗ウマ二次抗体のページを見てもらうと分かるように、Mac OS Xのファインダーのデザインを参考にして、簡単に他の二次抗体に移動できたり、抗体のコントロール(アイソタイプコントロール等)に行けるリンクを用意したり、検出試薬に行けるようにしてあります。これはMiller Columnという仕組みですが、かなり良い方法だと思っています。

最後に、私が今日調べた限りで、パンくずリストのあるメーカーサイトと無いメーカーサイトをリストアップしておきます。ただしパンくずリストが画面上部ではなく、どこかにあれば○としました。

Sigma Aldrich
Merck
Takara
Applied Biosystems (USサイト)
BD Biosciences (USサイト)
Bio Rad
CST
GE Healthcare
Invitrogen (.comの方)
Millipore ×
New England Biolabs ×
Promega
Qiagen ×
Roche
Stratagene ×
Toyobo

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