損しているメーカーウェブサイト:製品詳細ページがGoogleで出ない

先日のブログで紹介した2010年6月のクリックスルー(メーカー人気ランキング)を見て、業界に詳しい人であれば順位にはおおざっぱには納得したものの、部分的に解せなかった部分もあるかと思います。

例えばミリポアが2位につけている点です。確かにブランド力のある抗体メーカーを吸収し、細胞関連の試薬にも注力していますが、それでもインビトロジェンを抜いて2位につけるというのはちょっと不思議です。

同様にストラタジーンの8位もちょっと高い気がします。決して悪い会社ではないのですが、アジレントに買収されてからは影がずいぶんと薄くなったところもあり、ロシュ、プロメガ、キアゲンよりも上位に来るのは少し不思議な気がします。

どうしてこのような順位になったのか、これが本当の人気を反映しているのか、それとも他の要因で説明し切れるのか。いまのところそこまでは弊社で分析はできていません。ただしある種のメーカーサイトの「欠点」があると、このクリックスルーランキングで上位に出そうだという感触はつかめています。以下にこれを解説したいと思います。

製品詳説ページがGoogleで引っかからない(なかった)メーカーサイトが多い

そして既にメーカー名、製品名もしくはカタログ番号の情報が手元にあるとき、研究者はどのようにして製品詳説ページにたどり着くでしょうか。メーカーのウェブサイトに移動して、それからそのウェブサイトの検索機能を使って製品を探すでしょうか。確かにそういう人は依然として多いとは思いますが、アクセスログを見ていると最近はダイレクトにGoogle検索をしている人が多いようです。

実際の作業ステップを比べてみましょう。ただし研究者は最新のブラウザを使っていると仮定します(つまり google.com に行かなくてもGoogle検索ができるフィールドがブラウザに備わっている)。

メーカーのウェブサイトに移動する場合:

  1. ブラウザのGoogle検索フィールドでメーカー名を入力(例えば「ロシュ」と入力)
  2. 検索結果から該当するメーカーのウェブサイトを探し出し、そしてそれをクリック。
  3. メーカーウェブサイトに移動してから、研究試薬部門のページを探し出す。特にロシュやメルクのような多角化したメーカーだとこのステップは結構大変。
  4. 研究試薬部門のウェブサイトに移動したら、検索窓を探し、そしてそこに製品名やカタログ番号等を入力し、検索を実行
  5. 検索結果の中から製品詳説ページを探し、それをクリック。

ダイレクトにGoogle検索をする場合:

  1. ブラウザのGoogle検索フィールドにメーカー名とカタログ番号を入力。もしくは製品名(他のものと混同されにくい程度に詳しく)を入力。例えば “Roche 1814443″や “universal probe library”のように入力。
  2. Google検索結果から該当するページをクリック。

比べて分かるように、ダイレクトにGoolge検索した方が手間は半分以下ですし、それぞれにデザインや構造が異なるメーカーウェブサイトの中で検索窓を探したりしなくて済むので、心理的負担は恐らく1/3以下でしょう。ダイレクトにGoogle検索をした方がよっぽど楽なのです。

しかし大変困ったことに、ダイレクトにGoogle検索をしたのではうまくいかないメーカーサイトがありました。

シグマアルドリッチ社とミリポア社などはそのようなメーカーサイトでした。ですからこのようなメーカーの場合、ダイレクトにGoogle検索をした人は「まとめてカタログ」に流れやすかったのです。6月のようなランキングになったのは恐らくそれが原因だろうと考えています。

まとめてカタログのおかげで、メーカー詳説ページのGoogleダイレクト検索が改善している?

本当はこのブログ記事で、シグマアルドリッチ社やミリポア社の製品がGoogleダイレクト検索では見つからないことを実際にやってみて示そうと思っていました。しかし今朝検索したところ、両者の製品ともGoogleダイレクト検索でしっかり見つかってしまいました。つい2週間前に試したときはダメだったのに、この間に改善があったようです。なぜでしょうか?

手前味噌で恐縮ですが、おそらくはまとめてカタログの影響ではないかと思います。まとめてカタログはGoogleダイレクト検索で引っかかるように様々な工夫をしていますので、Googleはまとめてカタログの製品概要ページ(例えばGuava Cell Growthキット)を経由して、メーカーの製品詳説ページのURLを知ることができます。今まではGoogleはこのURLが見つからなかったのに、まとめてカタログのおかげで見つかるようになったのではないかと思います。

本当にそうだったかどうかの確信を得るのは難しいのですが、以下のケースが参考になります。

例えば “sigma 193747″で検索した結果。
これはまとめてカタログだけがGoogleで引っかかるケースです。

sigma 193747.png

そして “sigma R7131″で検索した結果。
これはまとめてカタログもシグマアルドリッチサイトもGoogleで引っかかるケースです。
sigma R7131.png

このスナップショットを見ると、Googleのデータベースの中の情報が まとめてカタログ→シグマアルドリッチ社サイト の順番で登録されていることが伺えます。

Googleダイレクト検索で引っかかるようになることと人気ランキングへの影響

さて、6月に紹介した人気ランキングがGoogleダイレクト検索の可否に影響されているという話をしました。そしてまとめてカタログのおかげで、ミリポア社やシグマアルドリッチ社などもGoogleダイレクト検索で引っかかるようになってきたという話をしました。

そうすると7月以降の人気ランキングには大きな変化が起こることが予想されます。特にミリポア社等のランキングが大幅に下がることが予想されます。

実際、以下は7/1 – 7/12までのランキングです。予想通りの順位変動になっています。

ranking till 20100713.png

まだGoogleダイレクト検索が可能になり始めたばかりなので、ミリポア社のランキングはまだもう少し下がると思います。しかし現時点でも、6月に比べれば大幅に下がっていることがわかります。シグマアルドリッチ社はまだトップになっていますが、インビトロジェン社との差はずいぶんと縮まっていることも分かります。

総括

ご覧のように、ブラウザからGoogle検索が容易になったこともあり、今時の研究者はGoogleダイレクト検索をする傾向にあります。そしてそのことを十分に意識していないメーカーウェブサイトは研究者に余計な負担をかけることになります。ブランドに対する信頼感は損なわれるし、他の製品に目移りしないとも限りません。

バイオの買物.comのまとめてカタログに製品が登録されることによってGoogleダイレクト検索が可能になり、問題がある程度解消することもあります。しかしそれでも各メーカーは自社のウェブサイトを見直して、Googleダイレクト検索がしっかり行われるように確認した方が良いでしょう。

アップデート
シグマアルドリッチ社のウェブサイトを例に出して説明していますが、現在ではsitemapを用意する等、ダイレクトにGoogle検索されるように工夫をしているようです。例に示したGoogle検索結果から、まとめてカタログによる効果があるのは間違いないと思いますが、自身で行っている対策によってもずいぶんと良くなっていると想像されます。

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