Archive for July, 2010

まとめてカタログの広告システムについて:その1

Thursday, July 29th, 2010

まとめてカタログでは、研究用試薬・機器メーカーが広告を掲載し、製品を効果的にプロモーションできるように準備を進めています。今回はそのコンセプトについて紹介したいと思います。

バナー広告はなかなか効果が出しにくい

インターネットで一般的に使われているバナー広告ですが、なかなか目に入りにくいと言われています。(盲目効果 ~ 視線の動きとレイアウトバナーは目に入らないのか?~新旧の知見)。

広告部分に視線が行くことはゼロに近かったのである。何か知りたいことがあって探しているときには、早く目的を達成したいと思うのでバナーに気を取られることはない。そして、そこに書かれている内容に夢中になっているときには、文章から目を逸らすことはないのである。

確かに私自身がウェブサイトを眺めているときも、広告をクリックすることは滅多にありません。インターネットでフリーのサービスを提供して、広告収入によってその経費をまかなおうとしている我々にとっては、非常に頭の痛い問題です。

banner_blindness.jpg

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メーカーウェブサイトの検索エンジン:その1

Tuesday, July 27th, 2010

アップデート
検索結果レスポンス時間の表はこのブログを最初に投稿したときよりアップデートし、数を増やしています。それにあわせて、文章も一部変更しています。

ライフサイエンス研究用の研究試薬機器を販売しているメーカーのウェブサイトで、検索エンジンのスピードをテストしてみました。

テスト方法は非常に簡単で、厳密な比較は全くできないものです。しかし大雑把な感じをつかむことはできるのではないかと思っています。

具体的にはKDDIの光回線を使用して、MacBook Pro (Intel CoreDuo 2.0GHz)、Snow Leopard、Safari 4の組み合わせで計測しています。計測に使ったのは Safariの開発メニューにある、各リソースのロード時間を計る画面です( 開発>Webインスペクタを表示して、リソースのタブを押す。あらかじめ環境設定で開発メニューを有効にする)。

また検索エンジンの性質を明らかにするため、ヒット数が少ないキーワードとヒット数が多いキーワードをテストしました。

表に載せた数字は、ページ全体がロードする時間ではなく、検索結果を含むHTMLファイルのレスポンスタイムです。レスポンスタイムとは、画面に何かが描写され始めるまでの時間とだいたい同じです。

以下が結果です(2010年7月27日計測時点);

検索結果レスポンス時間
ウェブサイト 検索キーワード ヒット数 レスポンスタイム(s)
roche-biochem.jp PCR 1,600 15.37
fugene 2 0.612
cosmobio.co.jp PCR ND
transfection ND
cd3 7,445 5.36
1540-14 1 0.584
リアルタイムPCR 2,621 0.609
昆虫細胞 66 0.595
catalog.castle104.com PCR 6,262 0.176
iscove 20 0.375
antibodies 105,265 0.221
funakoshi.co.jp PCR 9,476 3.57
CD3 1,731 2.45
CD3Z 156 0.808
invitrogen.jp PCR 220 0.053
CD4 143 0.069
invitrogen.com CD4 426 2.5
PCR 7,598 2.0
takara-bio.co.jp PCR 537 5.97
advantage 48 5.84
bio-rad.co.jp PAGE 302 3.39
PCR 400 3.81
promega.co.jp PCR 92 0.429
DNA 337 0.449
sigmaaldrich.com transfection 1,222 1.20
PCR 894 1.10
qiagen.com miniprep 1,650 2.00
PCR 3,040 2.50
merck-chemicals.jp transfection 70 2.57
PCR 80 1.91
inhibitor 2,400 1.83
millipore.com cd4 173 5.0
cd 338 5.5
フィルター 6,348 5.5
toyobo.co.jp rna 145,303 30
pcr 110 7
KOD FX 3 7
gelifesciences.co.jp PCR 678 0.793
Cy3 333 0.526

全体的に言って、多くのウェブサイトの検索速度は大きな問題が無いレベルであり、検索のスピードでストレスをかけているのは少数派です。ただそうはいうものの、2-3秒かかってしまっているものが多く、決して快適とは言えません。ウェブサイトの表示速度が遅いことによって売上げや顧客満足度が低下するという実証的なデータもありますので、これらは要改善と言えます。1秒程度に収める工夫によって、顧客満足度が大きく向上するでしょう。

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ライフサイエンス研究者向けのAdwordsについて思うこと:その2

Monday, July 26th, 2010

ついさっき「ライフサイエンス研究者向けのAdwordsについて思うこと:その1」を書いたばかりですが、やりながら頭が整理された部分がありますので、ここに書き留めます。

旧来の広告は何かイベントがあるときに作っていた

少なくともライフサイエンス研究支援の業界は、キャンペーンを実施したり新製品を出したりして、それに対するマーケティングをするということには慣れています。しかし既存の製品を地道にプロモーションしていくことには全く不慣れです。例えば先ほどのブログで紹介したリアルタイムPCRをマーケティングすることには熱心です。そして制限酵素はキャンペーンをしながらプロモーションします。しかしその一方で、例えばライゲーションキット(T4 DNAリガーゼ)とかアルカリフォスファターゼ(BAP, CIAP)、フェノールとかのプロモーションはほとんどありません。

先ほど見たAdwordsの使い方はこれを反映しています。リアルタイムPCRは比較的新しい成長分野だからプロモーションします。そしてキャンペーンと結びつけてプロモーションします。Googleに「リアルタイムPCRプライマー」というキーワードで検索され、広告コピーの中に「プライマー」という言葉が入っていたとしても、ついついプライマーのプロモーションを忘れてリアルタイムPCRの他の製品(例えば新しい試薬と機器)をプロモーションしようとしてしまいます。

つまり、メーカーとして強くプッシュしたい製品やキャンペーンにばかり注目したプロモーションになってしまっています。

Google検索を行ったユーザは何を探したかったのか?

Google検索を行ったユーザは、メーカーが売りたいものには興味があるとは限りません。

それどころかGoogle検索を行ったユーザはキーワードを介して、自分の意思表示、自分が何を買いたいのかを既に表明しているのです。

例えばユーザがリアルタイムPCR用のマスターミックスをいくつか比較検討したかったとします。特に価格が気になっていたとします。そのときに入力されるだろう「リアルタイムpcr 価格」などは比較的検索ボリュームがあるキーワードです(Google Suggestで3-4番目に出てきます)。でも各メーカーのAdwords広告は先ほどのブログのものと変わりません。どの広告もユーザの意思とはマッチしていません。「リアルタイムpcr 試薬」と検索しても同様です。

本来は、ユーザが表明した意思に対するAdwords広告を出した方が良いと思いませんか?キャンペーン情報を探していないユーザにキャンペーンの話をするのではなく、試薬価格を知りたいユーザには試薬価格の話をするのが先決ではないでしょうか。

あるいはプライマーを探しているお客様には、真っ先にプライマーの話をしたらいかがでしょうか。プライマーの話を聞きたいと言っているユーザに対して、プライマーへのリンクを小さく隠しておいて、そしてその前に新製品の紹介をするのは失礼ではないでしょうか。もちろんメーカーは失礼なことをしているつもりはないと思いますが、シチュエーションによってはそういう結果になっていないでしょうか。

Adwordsはユーザの疑問に答えるように作るべき

マーケティング担当者にとっては、大きなマインドセットの変更が必要だと思います。マーケティング担当者は自分たちが何を売りたいかではなく、ユーザは何をどのように探しているかを考えるようにしなければならないと思います。これこそが本来のマーケティングの姿ではあるのですが、前世紀末には新製品ラッシュだったライフサイエンス業界に育った人間にとっては、これはおそらくは新鮮なアプローチになると思います。

ユーザの疑問を想定して、それに答えるようにAdwords広告を作ります。そして数はかなり多くなってしまいますので、それなりの労力をかけてそのメンテナンスを行います。さらに新製品やキャンペーン等のときにやるだけではなく、ユーザの疑問は常に年中ある訳ですから、このAdwords広告を継続的に、少しずつ改善しながらやっていくこと。これが大切だと思います。

そういうことを、例えばAmazonはやっています。

ライフサイエンス研究者向けのAdwordsについて思うこと:その1

Monday, July 26th, 2010

ライフサイエンス研究者向けに研究用試薬や機器を販売する業界でも、GoogleのAdwords広告を使うメーカーが最近はずいぶんと増えた印象があります。

例えば「リアルタイムPCR」で今朝検索を行ったときは以下のようにたくさんのメーカーの広告が出てきました。

adwords real-time PCR.png

このように各社がインターネット広告に興味を持ってきているのは大変良いことではありますが、もう少し改善できるかなと感じる点が多少あります。それについて少し見ていきたいと思います。なお良いAdwords広告の書き方については、多数のウェブページで紹介されており、大体どれも同じようなことを言っています。例えばこのウェブページにも紹介されていますので、これを読みながら以下を見ていただければ分かりやすいと思います。

www.lifetechnologies.co.jpの広告

これをクリックしたときに移動する先は以下のページです。つまり、これはブランディング広告になっています。モノを売ったり、お客様に具体的なアクション(例えば資料請求)などを促す広告になっていません。確かに広告のコピーも「ライフサイエンス業界のリーダーとして革新的な機器を提供。」などとなっていますので、具体的な何かを訴求する広告にはなっていません。

普通に考えると、Adwordsには非常に不向きなタイプの広告です(参考)。テキストだけなので、Adwordsにはブランディング力はあまりないはずです。まぁ、このコピーだとクリックされることも非常に少ないと予想されますので、出費も少なく済みそうですが。

lifetech adwords.png

www.takara-bio.co.jpの広告

この広告は非常に具体的で、余計な言葉も無く、多くのクリックが得られそうな気がします。特に「リアルタイムPCRプライマー」という検索キーワードのときは良いと思います。

ただしより改善するのならば、タイトルを「リアルタイムPCR」のとどめるのではなく、「リアルタイムPCRプライマー」とまでやってしまった方が良かったかもしれません。

しかしこの広告の最大の問題はランディングページです。この広告をクリックすると以下のページに飛びますが、このページのどこにプライマーの設計や注文の話がどこにあるのか、かなりじっくり見ないと分かりません。皆さんは分かりましたか?右の下から1/3ぐらいのところ、「Perfect Real Timeサポートシステム」という青いボタンの上に、小さい文字で「リアルタイムRT-PCR用プライマー」と書いてあるだけです。これは最悪ではないにせよ、あまり良いランディングページとは言えません(参考)。
takara adwords landing.png

www.roche-biochem.jpの広告

リアルタイムPCR用試薬のサンプルを無料で配布しているということですが、恐らく少ない文字数で表現するのに苦労したためか(Adwordsは文字制限が厳しい)、タイトルが「LightCycler用サンプル」という若干意味不明なものになってしまってます。サンプルというのは訴求力のある言葉ではありますが、「実験試料」という意味もあるので、「無料サンプル」などにした方が良かったかもしれません。ただ「ライトサイクラー」という長いブランド名を入れなければならない広告なので、文字数が本当に大変だと思います。ブランド名はタイトルではなく、広告テキストに移した方が良かったかもしれません。いずれにしても、複数の候補をテストするしかないでしょう。

その他のAdwordsについて

今回は非常にメジャーなトピックであるリアルタイムPCRについてのAdwordsに利用について簡単に見てみました。リアルタイムPCRのようないわゆる注目分野はまだ割と簡単で、分かりやすく、取り組みやすいと思います。普通の広告の考え方でアプローチできるのです。

しかしAdwordsが効果を最大に発揮しそうなのは、実はロングテールの部分、つまり個別には注力できない雑多な製品です。例えば個別のsiRNAオリゴだとか抗体、電気泳動用分子量マーカーとか、普通だったらいちいち広告が出せないような製品であっても、Google Adwordsを使えば細かく顧客ターゲティングして訴求することができます。

例えば「アポトーシス」でさっきGoogle検索を行ったところ、出てきたのはAmazonでした。

amazon.png

なんでAmazonがこんなものまで広告出してるんだ?というのが疑問ですが、これも彼らのロングテール戦略の一部です。

次回、こういったAdwords広告について考えていきたいと思います。

損しているメーカーウェブサイト:パンくずリストがないサイト

Friday, July 16th, 2010

ウェブサイトで言う「パンくずリスト」とは、現在表示されているページがどのカテゴリーに含まれているかを示すものです。

パンくずリストがあるとユーザにとっては

  1. 自分の位置を把握しやすい。ウェブサイトの構造が簡単に理解でき、安心感が得られる。
  2. 目的のページにたどり着いたかどうかを判断しやすい。
  3. 瞬時に上位のカテゴリーに移動できる。

などのメリットがあります。

同時にGoogle対策(SEO)においても有用と言われています。(例えば ここ

特にGoogleで製品名等の検索を行った利用者は、ウェブサイトの階層をたどって目的のページに行くのではなく、一気に目的のページに飛ばされます。このページが本当に目的のページだったのか、関連するページはどこなのかを伝えるためには「パンくずリスト」は非常に有用です。

研究現場における実際のユースケースを考えてみましょう。

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損しているメーカーウェブサイト:製品詳細ページがGoogleで出ない

Tuesday, July 13th, 2010

先日のブログで紹介した2010年6月のクリックスルー(メーカー人気ランキング)を見て、業界に詳しい人であれば順位にはおおざっぱには納得したものの、部分的に解せなかった部分もあるかと思います。

例えばミリポアが2位につけている点です。確かにブランド力のある抗体メーカーを吸収し、細胞関連の試薬にも注力していますが、それでもインビトロジェンを抜いて2位につけるというのはちょっと不思議です。

同様にストラタジーンの8位もちょっと高い気がします。決して悪い会社ではないのですが、アジレントに買収されてからは影がずいぶんと薄くなったところもあり、ロシュ、プロメガ、キアゲンよりも上位に来るのは少し不思議な気がします。

どうしてこのような順位になったのか、これが本当の人気を反映しているのか、それとも他の要因で説明し切れるのか。いまのところそこまでは弊社で分析はできていません。ただしある種のメーカーサイトの「欠点」があると、このクリックスルーランキングで上位に出そうだという感触はつかめています。以下にこれを解説したいと思います。

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まとめてカタログのアクセスの推移

Monday, July 12th, 2010

バイオの買物.comの新サービス、「まとめてカタログ」は4月12日より公開しましたが、おかげさまでアクセス数が一日あたり1,000セッションに迫ってきました。一日あたり1,000セッションというのは恐らく中堅のメーカー(年商が5-30億円レベルとして)のウェブサイトと同等レベルで、決して多い訳ではないのですが、公開して3ヶ月以内でここまで来られたは素直にホッとしています。

どういう人がどのように使っているのかという分析については、今後このブログやメルマガを通して紹介していこうと思いますが、ここでは簡単に状況だけを紹介します。

20100412-20100709.png

青い線が全体のアクセス数、オレンジの線がac.jpドメインからのアクセス数です。

簡単に解説しますと、

  1. アクセス数は5月に急速に増加し、6月以降も緩やかに増加しています。現在一日あたりのセッション数は1,000を目前にしていて、私の知る限りではこれは中堅メーカーと同等レベルです。
  2. アクセス数が急速に伸びたのは、Google対策を施したことが主因です。具体的にはGoogleがより多くのページをデータベースに登録してくれるよう、いくつかの対策を行いました。
  3. アクセスしてくるユーザのうち、研究者がいったいどれぐらいを占めるのかが気になります。これをはっきり調べる方法は残念ながらありませんが、大学からのアクセス(ac.jpドメインからのアクセス)を知ることはできます。そしてac.jpからのアクセスが全体の40%となっています。企業研究所(co.jp)、その他研究機関(go.jpなど)にも多くの研究者がいますので、このことからまとめてカタログへアクセスしているのは主に研究者ではないかと考えています。

今後もより多くの研究者に利用していただけるように、さらに内容を充実させていこうと思っていますので、今後ともぜひよろしくお願いいたします。

2010年6月のクリックスルー(メーカー人気ランキング)

Monday, July 12th, 2010

まとめてカタログでは各製品の概要ページ(下図)よりメーカーのウェブサイトに移動して、製品の詳細を確認することができます。

下の図の「メーカーのサイトに移動」と書かれた緑のボタンをクリックするとメーカーサイトに移動します。

product_summary_screen.png

バイオの買物.comではユーザが概要ページから何回メーカーウェブサイトに移動したか、一般に言うクリックスルー数を集計して、非常に簡易的に「メーカー人気ランキング」というものを作っています。今回は6月のランキングを紹介します。

6月 クリックスルーランキング
順位 メーカー クリックスルー数
1 シグマアルドリッチ 816
2 ミリポア 465
3 インビトロジェン 373
4 タカラ 316
5 バイオラッド 196
6 BD バイオサイエンス 185
7 ABI 145
8 ストラタジーン 140
9 ロシュ 128
10 プロメガ 123
11 アブカム 122
12 キアゲン 112
13 メルク 100
14 GE 97
15 東洋紡 75
16 NEB 71
17 クロンテック 67
18 CST 43

念のためにはっきり言っておきますが、このランキングはあくまでもクリックスルー数を見ているだけなので、本当のメーカーの人気を反映していない可能性があります。とは言うものの、普段はメーカー間を直接比較することができませんので、興味深いデータだとは思います。

バイオの買物.comではなるべく毎月このランキングを発表するとともに、このランキングの読み解き方についても紹介していく予定です。また浮かび上がってくる問題をきっかけに、インターネットマーケティングの手法についても言及していきたいと思っています。

最近始めたメルマガおよびこのブログで紹介していきますので、よろしくご期待ください。

メルマガを始めました

Friday, July 9th, 2010

バイオの買物.comのメルマガを始めました。

原則としてバックナンバーは公開しませんが、初回のものだけ、とりあえず見られるようにしました。
バイオの買物.com メルマガ20100709

購読は誰でも自由です。
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よりご登録ください。

主にライフサイエンス研究用機器・試薬業界でセールス・マーケティングに従事している方を対象とし、内容はインターネットマーケティングについて気づいたこと、バイオの買物.comでのメーカーランキング、そしてバイオの買物.comのアップデート等を予定しています。

次号のアイデアは既に決まっていて、20100709号で紹介しているバイオの買物.comのメーカー人気ランキングの解説と、そこから分かるメーカーサイトの大きな落とし穴について紹介する予定です。

乞うご期待