Archive for August, 2011

抗体検索の絞り込み条件は「選択式」が正しい

Monday, August 8th, 2011

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この記事を含め、ライフサイエンス研究用製品メーカーのウェブサイトのあるべき姿について書いた記事を特集ページにまとめました。あわせてご覧ください。

「抗体検索とファセットナビゲーション(抗体検索の絞り込み)」の記事で、優れた絞り込み検索のユーザインタフェースについて議論しました。そして米国などの本社ウェブサイトではこの優れたシステムが導入されてきていることも紹介しました。

その一方で、日本の輸入商社やBiocompareなどのメーカー横断的比較サイトではファセットナビゲーションの導入が遅れていることも話しました。ただフナコシ、Biocompareなどは、ちょっと時代遅れですがしっかりしたものであるとも述べました。

今回はちょっと極端な例として、抗体の絞り込み検索の非常に良くない例を紹介します。コスモバイオのウェブサイトの例です。大手の輸入商社で豊富な抗体のラインアップをそろえているにもかかわらず、その中から製品を探すウェブサイトのできが残念な状態にあります。 (more…)

研究者が使用するパソコンの画面の大きさを考慮しよう(font-size:42pxは控えめに)

Sunday, August 7th, 2011

バイオの買物.comにアクセスする人の画面の解像度を分析しました。
特に最近のパソコンの画面は横長のが多く、余裕がありますが、縦方向には余裕がありません。そのため縦方向で分類しています。

大学と企業では傾向が違うことが予想されましたので、ac.jpドメインから来るユーザとco.jpドメインから来るユーザを分けています。

Access by resolution

ここから例えば以下のことが読み取れます。

  1. 大学(ac.jp)では自由にパソコンを選択できますので、幅広い画面解像度のパソコンが選択されています。大きな画面を使っている人も多いです。特に縦1440pxや1600pxのものは、非常に専門的なものを除けば(ディスプレイ単体で30万円近く)Apple社の製品にしかありません(市販の24インチモニタも1920×1080がほとんど)。
  2. 大学のパソコンは研究室支給ではなく、個人のパソコンが多いでしょう。そのため自宅と研究室の両方で使えるようにノート型の1366×768とか1280×800のパソコンが多くなっています。最近の主流であるワイドディスプレイのノートです。
  3. 1024×768のパソコンはワイド画面が普及する前の比較的古い規格です。企業(co.jp)で縦768のものが多いのは、ネットブックの1280×768やワイドノートの1366×768によるのではなく、古いデスクトップ用15インチディスプレイもしくは古いノート型を使っているためです。catalog.castle104.comのアクセスログを見ると企業はWindows XPの使用率が82%なので、ここから見ても企業は古いPCを好んで使っているのがわかります。
  4. 企業で1024の解像度が多いのは、1280×1024のデスクトップ用17-19インチディスプレイによります。

企業ユーザはどうも大学のユーザに比べてPC環境が貧弱のようです。

さて研究者向けにウェブサイトを提供している人間としては、このようなパソコン環境でウェブページがどのように見えているかが気になります。

ちょっと極端な例ですが、シグマアルドリッチの新しいウェブサイトを見てみましょう(1024×768, Windows XP, Internet Explorer 8)。

Parallels Picture 3

製品名はデカデカととても大きい字で書いてあるのですが、なんと価格も容量もカタログ番号も見えないのです。スクロールをしない限り、基本情報が見えません。

わざとじゃないですよね??? (more…)

抗体検索とファセットナビゲーション(抗体検索の絞り込み)

Friday, August 5th, 2011

この記事を含め、ライフサイエンス研究用製品メーカーのウェブサイトのあるべき姿について書いた記事を特集ページにまとめました。あわせてご覧ください。

聞き慣れない言葉ですが、ファセットナビゲーションというコンセプトがあります。ファセット(Facet)は結晶体・宝石の小面などを意味する言葉で、物事の側面を表すときにも使うようです。

ファセットナビゲーションとは、入力された検索キーワードに合わせてコンピュータ側が様々な絞り込み条件を提案する仕組みです。ユーザが自分自身で考えたり検索条件を試行錯誤したりする負担を減らすために、コンピュータが予め情報を用意しておくものです。

ファセットナビゲーションというのは抗体の検索にはぴったりマッチするのですが、この仕組みを導入しているウェブサイトはまだまだ少ないです。比較的最近に大幅リニューアルしたものから、徐々に使われるようになってきているようです。

今回はファセットナビゲーションがどのようなものか、抗体検索においてどのような問題を解決してくれるか、そして新「まとめて抗体検索」のファセットナビゲーションがどのように優れているかを解説します。 (more…)

BD PharmingenやTransduction Labsの抗体の価格、その他の研究用製品の値段の調べ方

Wednesday, August 3rd, 2011

ウェブサイトのログなどを解析していたところ、Googleで「BD 価格」や「BD 値段」と書いた人がバイオの買物.comに流れ着いていることがわかりました。

世間一般にはBDと言えば「ブルーレイディスク」のことを指すそうで、「BD 価格」や「BD 値段」で検索を行ってもBD Bioscienceの製品の価格情報はなかなか見つかりません。

そもそもBD Bioscienceの研究用製品の価格はつい最近までウェブに載っていませんでした。それどころかBDは日本語のオンラインカタログがありませんでした。わざわざGoogleに「BD 価格」や「BD 値段」を書き込んで、バイオの買物.comに来てしまう人がいたというのはそういう背景があります。

しかし実は2010年にBDは日本語のオンラインカタログができたのです。非常に見つけにくいところにありますので、このブログ記事で紹介します。

まずはBD Japanウェブサイトの「製品情報」ページに行きます。そして下記の画像で示す、「バイオサイエンス製品カタログ」のリンクを押します。

BD website

そうすると、検索機能もかなり充実した、できばえの良いオンラインカタログが出てきます。検索結果に対してはファセットナビゲーションもついていて、絞り込みが簡単です。価格も載っています。

BD catalog

「製品情報」ページで上述のリンクより下の「BD FACS フローサイトメーター」や「試薬・抗体」のリンクをクリックしたいところですが、そこはぐっとこらえてください。そこに行ってしまうと、「バイオサイエンス製品カタログ」はますます見つかりにくくなってしまいます。

このようにオンラインカタログがサイト全体と全く統合されてなくて、とてもわかりにくい状態になってしまっています。でもこれはBDだけではなく、よく見られるパターンです。例えばいまのロシュのウェブサイトもそうなってしまっています。

なんとかして欲しいところではありますが、この苦労を良く知っているだけに私もなかなか強く言えませんね、こればかりは。

抗体検索サイトのリストと評価

Wednesday, August 3rd, 2011

加々美直史の個人ブログに「抗体検索サイトのリストと評価」という記事を書きました。

抗体を検索したいときに使える海外や国内のサイトをリストアップし、それぞれの使い勝手を評価してみたものです。正直、あんまり良い評価は与えることはできませんでした。

このリストはバイオの買物.comが2011/8/1より公開している新「まとめて抗体検索」を作るにあたって、現状を評価するために頭に入れていたものです。

このブログでも書いていますが、まぁまぁそれなりの抗体検索ウェブサイトが使っている検索インタフェースはどれも良く似ていて、Biocompareのものと同じです(別にBiocompareが元祖かどうかは知りませんが)。しかし、新「まとめて抗体検索」を作るにあたっては、すべてをいったんゼロから考え直しました。

Biocompareなどの検索インタフェースに似せるのではなく、どうすれば研究者がより少ない手順で、より少ない精神的負担で、より確実に目的の製品にたどり着けるか。そのためにデータはどのように整理され、また情報はどのタイミングでどのように研究者に提示されなければならないかを徹底的に考えました。

結果として出来上がった新「まとめて抗体検索」には現時点ではかなり満足していますが、できれば皆さんの感想も聞かせてください。Twitterの @naofumi@BioKaimono に連絡をくれるとありがたいです。

キーワードが思い出せなくなる検索システムをLincoln Steinはどう思うか

Monday, August 1st, 2011

バイオメーカーのウェブサイトの中には、検索結果を表示するときに、最初に入れた検索キーワードが消えてしまうものがあります。

代表的な例としてコスモバイオのウェブサイトを紹介します。
http://www.cosmobio.co.jpに検索キーワードを入れます。

Cosmobio

検索のボタンを押すと以下のように結果が表示されます。

Cosmo result

ご覧のように、検索キーワードとして入力した”CD34″が検索条件のボックスにありません。それどころか、検索条件ボックスには何も情報がありません。

「絞り込み検索項目」というのがありますが、全くのまっさらな状態なので、何がどのように絞り込み検索されるのか、全く知る方法がありません。

Lincoln Steinという人がいます。彼はBioinformaticsのプログラマーですが、1990年代のWebの黎明期を支えたと行っても過言ではない、あのPerl CGI.pmの作者でもあります。彼は著書の”Official Guide to Programming with CGI.pm: The Standard for Building Web Scripts”でこう書いています。

More seriously, however, the fill-out forms I created in HTML were dead. The text fields were blank, the checkboxes turned off, and the radio buttons were set to their defaults. The user interface was inconvenient as well.

I wanted the interaction to be more conversational, so the user could fill out the form, press the submit button, and the results would appear on the same page. If the user wanted to try again, the form would be right there.

バイオでも大活躍している大先輩が15年以上前に解決していたウェブデザインの基本的な課題を、コスモバイオのウェブサイトは無視してしまっているのです。

しかもこの過ちを犯しているのはコスモバイオだけではありません。他にもそうなってしまっているウェブサイトがバイオメーカーの中にあるのです。 (more…)